ange~天使が恋した王子様~
ほんと、最低……。
『ソウくんが笑えるように』
『幸せになれるように』
ふざけてる…。
そんなの、自分の欲望を正当化するための理由にすぎない。
自分が、ソウくんのそばにいたいから。
誰よりも、そばにいたいから。
そんなことしか考えていないのに…。
「私は、そんな想い、させないから」
「杏……そんなこと、できるわけないだろ」
「お願いだよ……そばにいさせて、ソウくん」
「…………杏、そんなこと言うなよ」
『揺らぐだろ』
そんなソウくんの小さな呟きが聞こえた瞬間、私は思わずソウくんに抱きついた。