ange~天使が恋した王子様~
「離れてくなよ、杏樹」
そんな苦しそうな顔をしないで。
「ごめん」
「そばにいるって言っただろ」
そんな切ない声で言わないで。
「ごめん」
「俺のこと、嫌いになった?」
好きだよ。
「…………ごめん」
だから、
「ソウくんは、ちゃんと好きな人のところに行かなくちゃダメだよ」
「どういうことだよ、杏樹」
少し声が低くなった。
怒った……?
「ソウくんが今1番守りたいと思ってるのは、私じゃないでしょう?」
「ちが、」
焦ったように言うソウくん。
「違うくないよ。だから、遊園地のときも。文化祭の時も。昨日もだって……」
「…………」