ange~天使が恋した王子様~
「これ以上あの子を傷つけるなら、もう容赦しないから」
「…………けるかよ」
「え?」
「傷つけるわけねぇだろ。
確かに、最低なことばっかしたし、たくさん泣かせたけど、あいつには誰より笑っていてほしい。
誰よりも俺が近くにいたい。
あれだけ傷つけても、それでもそばにいてぇんだよ。
たくさん傷つけたから、たくさんわらわせてやりてぇんだよ」
他でもない、俺自身で。
やっと、気づけたんだ。
「手放してたまるかよ」
もう、離したくない。
俺は、走り出した。