ange~天使が恋した王子様~
「うわぁ、さむ…」
「まだ1月だもん」
「んー、空き教室のが良かったかな」
「そう?私、屋上好きだよ?」
風気持ちいし…
まぁ、今は気持ちい風を通り越しちゃってる勢いだけどね。
「…………ねぇ、杏」
「どうしたの?棗」
今日はなんだか様子が変だ。
「………おめでとう。ソウのこと」
「ありがとう」
「………………」
それから、少し黙った棗。
「ねぇ、どうしたの棗。なんか変だよ?」
「そう?………………変なのは杏じゃない?」
え?
「私、普通だよ?」
「普通じゃないよ」
そう言い切る棗。
「…………………………棗に隠し事はできないね」
「ちゃんと、話してよ……」
不安そうに言う棗。
「………………うん」
私は小さく頷いた。