ange~天使が恋した王子様~
「杏?」
その声にハッとすると間近にソウくんの顔があった。
「わっ」
「どうした?今日様子変だけど」
「なんでもないよー」
「なら、いいけど…」
納得いかなそうな顔をしたものの、ソウくんは諦めてくれたようだ。
「そういえば、俺、杏の学校の近くの大学に決めたから。
悩んでてさ、言えなくてごめんな」
「ううん、大丈夫」
「なんだよ、嬉しくねーの?」
拗ねたように言うソウくん。
「え?」
「反応薄い」
「そんなことないよ!嬉しい‼︎」
私は慌てて笑顔で言った。
「んじゃ、また明日な」
そう手をひらひらと振り、家に入っていくソウくん。
「あ、ソウくん‼︎」
「ん?」
私の声に振り返った。