ange~天使が恋した王子様~
「落ち着いたか?」
紅茶を淹れて、言ったソウくんに頷いた。
「話せるか?」
「……………」
「…………今日はやめとくか」
諦めたように言って、ソウくんは立ち上がった。
「…………アメリカ、行かないの?」
そんなソウくんを引き止めるように出た声は震えていた。
不恰好だった。
伝わったかも、わからなかった。
「杏、なんでそれ…………」
声だけで、ソウくんの表情が痛いくらいにわかった。