ange~天使が恋した王子様~
「なんで⁉︎」
「杏が来てくれたらそれでよかったし」
嬉しい……けど‼︎
「それに、」
グイッと引っ張られたと思えばソウくんの腕の中に収まった。
「こーゆーこと、できなくなる」
「周りの人に見られるよ………」
そう言いながらもソウくんの胸に顔を埋めた。
「言ってることとやってること、違うけど?」
「……………うるさい」
意地悪く言うソウくんに小さく呟いた。
はは、と笑われる。
そうしていると、搭乗案内のアナウンスが流れた。
「あー離れたくねぇな」
「私も」
「このままいよっかな」
「ソウくん」
「わかってる。ちゃんと行くよ」
私だってこのままいたいけど、それじゃダメだから。