ange~天使が恋した王子様~
「…俺、最近先に行ってたから時間知らなかったし」
「あ、そうだね」
そうだ、避けてたんだ。
「俺が勝手に待ってただけだから、別にいいけど」
そう言って歩き出すソウくんを追いかけた。
ほんと、嫌だ。
ソウくん、好きじゃないなら、そんなことしないでよ。
期待させないでよ。
そんなに本当の彼女みたいに行動してくれたら、余計好きになっちゃうから。
苦しくなる。
これ以上、好きにさせないでよ。
「………ばか」
そんな呟きが、ソウくんに聞こえていませんように。