ange~天使が恋した王子様~
「さ、行こっか。もう2時間目になっちゃう。
1時間目、サボっちゃったね」
私は、制服についた砂を払いながら言った。
「ねぇ」
棗が私の腕を掴んで言う。
「なに?」
「いいの?」
「なにが?」
「正直、反対なんて、したくないけど…こんなの、傷つくのは………杏自身だよ」
「わかってる」
「だったら…!」
「うん、でも…私は………ソウくんのそばにいられるなら、それでいい」
それだけで十分なの。
他には、望まない。