ange~天使が恋した王子様~
「杏ー、なーに1時間目サボってんだよ」
教室に戻り席に着くと、ソウくんが言ってきた。
「なんか、棗と話し込んじゃって」
はは、と笑いながら言った。
「………ふーん」
特に興味を示すことなく、ソウくんは前を向いた。
「杏ー次数学だよね⁉︎」
さっきまでの棗が嘘のように普通に話しかけてきた。
「う、うん……」
「宿題見せて〜今日、当てられるの‼︎」
「い、いいよ……?」
私は恐る恐るノートを出した。
「ありがとー」
そのまま写し始める棗。
「………杏、さっきはごめん」
「え?」
「もう、気まずくなんてなりたくないから…」
「………私も。なりたくないよ」
私がそう言うと、棗はふふ。と笑った