ange~天使が恋した王子様~

それからしばらくそこにいた私は、日誌を書くために教室に戻った。


「もぅ、誰もいないか…」

カタン

私は、椅子に座って日誌を開くと……


『また明日』

パタ

日誌の1番下、備考のところに小さく書かれたひとこと。

大人っぽい字。

この字を見るたび、苦しくなる。

ソウくん……

涙が溢れて、文字を濡らす。


「ばか……日誌、書けないじゃんか」

私は、思わず笑みがこぼれた。
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