ange~天使が恋した王子様~
「どうして………私のこと………………」
「君、案外有名なんだよ。この学年じゃ」
「私、なにかしました?」
「はは、悪いことじゃないから大丈夫」
「そうですか…」
私、噂になるようなこと、した覚えないんだけどな…
「それよりも、敬語やめてよ」
「でも…一応、恩人ですし………」
「恩人って、袋渡しただけだよ」
「いえ、来てくれて助かりました」
「それより、なにかあったの?大丈夫?」
「…はい、慣れてるので」
「慣れてるって…」
あ、話しすぎたか………。
「いえ、なんでもありません。
ありがとうございました。それでは……」
私は、これ以上何も言わないように一礼して、歩き出した。
「え、ちょ⁉︎」
そんな声も無視して。