ange~天使が恋した王子様~
それから、1週間が経った。
相変わらず発作はあるけど、なんとかやりすごしていた。
あの男の人はあの時から会わないまま。
そして、おばあちゃんの命日が3日に迫っていた。
「杏!……あーん!………杏樹‼︎」
「へ⁉︎」
「なーにボーッとしてるの?」
棗が不思議そうに見てくる。
「あ、ごめん」
「なにかあった?」
「なんでもないよ」
「そっか」
棗はおばあちゃんが夏に亡くなったことを知っている。
もしかしたら、なにかを悟っているのかもしれない。