ange~天使が恋した王子様~

それから、1週間が経った。

相変わらず発作はあるけど、なんとかやりすごしていた。

あの男の人はあの時から会わないまま。


そして、おばあちゃんの命日が3日に迫っていた。


「杏!……あーん!………杏樹‼︎」


「へ⁉︎」


「なーにボーッとしてるの?」

棗が不思議そうに見てくる。


「あ、ごめん」


「なにかあった?」


「なんでもないよ」


「そっか」

棗はおばあちゃんが夏に亡くなったことを知っている。

もしかしたら、なにかを悟っているのかもしれない。

< 68 / 484 >

この作品をシェア

pagetop