ange~天使が恋した王子様~

「杏はいっつも急いでるな」

呆れたように私の頭を撫でたソウくんと私は高校2年生。

同じクラスだ。


「ソウくんはいっつも落ち着いてるね」

用意の遅い私が、いつもこんなに早い時間に出てくるわけなんて、『ソウくんと一緒に学校に行くため』それだけだ。


「そうか?」

ソウくんは言った。


「うん」

ソウくんと、他愛もない話をしながら学校に行くこの時間が、私の唯一安らげる時間なんだ。
< 7 / 484 >

この作品をシェア

pagetop