ange~天使が恋した王子様~
「それ、捨てるのか?」
隣に腰を下ろして、私の隣の花を指差す。
「…………うん」
「そうか……」
「スズラン……おばあちゃんが好きだったの」
「………渡さなくていいのか?」
「うん、」
私には、そんな資格ないから。
沈黙が続く。
「悠ーーー‼︎」
それを遮った大きな声。
「あ、わり…俺……」
「うん、ありがとう。話し相手になってくれて」
「いや、久々に楽しかった。ありがとな」
「バイバイ」
「またな」
私は悠にその言葉を返さなかった。