ange~天使が恋した王子様~
「あ、西条くんだ」
「やっぱカッコいい〜」
「1回は話してみたいよね〜」
学校の門をくぐれば聞こえてくる声。
ソウくんは、入学したときから、進学校であるこの高校のトップを譲ったことはない。
全国模試でもいつも1位。
おまけに、イケメンで運動神経抜群、サッカー部エースとくれば、彼を嫌う者なんてそうそういない。
まさに、この学校の王子様のような存在なんだ。
「杏?」
そんなことを考えていると、ソウくんが不思議そうに顔を覗き込んできた。
「へ?」
「大丈夫か?」
「う、うん!大丈夫だよ」
「…そうか、なにかあれば言えよ?」
「ありがとう、ソウくん」
「おう」
ソウくんは少し恥ずかしそうにそう言った。