Situation~旅行…~
「あの話があるんだけど…。」




「どうした、香苗、珍しいな話切り出すなんて。」

父親が答えた。少し、怖いが、銀行に勤めている真面目な性格。




「今度、女友達と一緒に、その子の田舎に旅行に行くんだけど、いいかな?」




「………。」

両親は少し戸惑いを見せながら、顔を見合わせた。




「そうか…、もう大学生だしなっ、いいじゃないのか?母さん。」




「えっ、許してしまうんですか?、大学生でもまだ18歳ですよ、

 そんな、まだ早いわよ。」

母親は、父親に比べるとかなり厳しい。

小さい時から、色々とうるさく、今回も一番の難関は母親だった。




「高校も、卒業旅行私だけいけなかったんだよ、そん時の約束が

 大学入ったらって言ってたじゃない。なんで、なんで、なんでよ。」




小さい抵抗かもしれないが、精一杯の抵抗をした。




親とはこういうものだ。




自分達の都合のいいように、良い様にするもんだ。




その場しのぎで、まるで自分達が正しいかのように。




こういうのは正直うんざりだ。




親にとっての子供は、一生子供のは理解している。




でも、縛り付けるのはどうなのか、そろそろかなりの葛藤が




晴海の中で大きく動き出している。










結局、この時は保留になった。




もう少し近い所にしろや、宿泊を4泊ではなく、2泊までにとか




条件をつけてきたので、一度考える事にした。







親の旅立ちは、やっぱり社会人になってからでないとダメなのか。




晴海はひどく落ち込んだ。

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