Situation~バス停…~
その女性は息があがり、今日一日の力をもう既に使ってしまった

勢いで、肩で呼吸をしている。




俊樹は心配そうに横目で見ていたが、女性はトートバックから

バーバリーの縞模様のミニタオルを取り出し、汗を拭った。




その様子を、気付かない様に一部始終見ていた俊樹だったが、

こういう光景は、いつも見ていたことなので、この時は何でも

無かった様に見過ごした。




バスがやがて来て、乗ろうとしたときに、俊樹はいつも持っている

小銭入れを家に忘れたのに気付いた。




「やばいなぁ~忘れた。」




乗ってから気付いたので、後から来たその女性を先に通した。




「先どうぞ。」




俊樹は女性を先に通して、女性は軽い会釈をして、バスの奥へと

進んでいった。






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