Situation~バス停…~
まもなく、バスが来て乗り込むと、その列のままバスの置くから詰めて行くと

出口付近で、俊樹と女性は立ったまま隣同士になった。




俊樹は、気付かない振りをして、そのまま前を向いたままだ。




女性は傘を静かにたたみ、つり革につかもうとした時に、俊樹に気付いた。




「あっ。」




小さな声を上げて、俊樹は横を振り向いた瞬間、女性と目が合った。




最初に声をかけたのは、俊樹だった。




「どうも。」




会釈をして、女性は笑顔で応えた。




「昨日は災難でしたねっ。自分もギリギリでしたけど。」




女性の声は小さいものだったが、とても通る声をしていた。




「えぇ~本当に。」

俊樹は少し、はにかみながら、照れていた。




「こっちは昨日から初めての出勤で、初日からやらかしてしまいましよ。」




「あっどうりで、見慣れない顔だと思って、見てしまいました。

こんな、小さいな町なので、見ない顔は目立ちますからねっ。」




細いラインの女性は、春らしくピンクのインナーを着ており、

シルバーの星とハートの小さなチャームのネックレスが目に入った。




「そうなんですかぁ~、でもここからでも十分都内に通えて、いいですよねぇ

住めば都なんでしょうけど。」




「どうして、こちらにいらしたんですか?お仕事か何かで。」




「えぇ、会社が紹介してくれて、自分の希望でこの街になったんですけどねっ。

全然知らないんですけどねっ、この辺は。」




「そうなんですかぁ~、私なんか中学の時に引っ越して以来まだ、独立できないで

いるもんですから、実家通いで。」




丁度話しも、いい感じで続いているときにバスは、駅へ着き

出口のドアが開き、人がなだれ込んだ。




二人は同じ駅へと歩き出したが、距離が遠く、その時は会釈をして

別れた。
















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