Situation~バス停…~
3日目も雨だった。

俊樹は少し張り切り、お気に入りのオレンジと白の斜めのストライプの

ネクタイを締めた。




バス停に向うと、既にいつも女性は列に並んでいた。




女性は気付かずに、手元にある本に夢中になっていた。




俊樹は最後列に加わったが、女性の方をちらちらと見ていたが、

女性は全く気付かない。




バスが来て、乗り込んだ後、俊樹は何とか近づこうと、女性の居る

最後尾付近まで近づこうとしたが、人の多さに途中で断念した。




なんとか、昨日よりスマートに近づく方法はないかと俊樹は必死に

知恵を絞った。




俊樹は行動に出た。







駅に着くと、バスにいち早く降りた俊樹が向った先は、駅の事務所だった。




俊樹は駅員に何かお願い毎をして、改札をくぐり、その日は何事も無く、

会社に向った。













4日目は、いつもより1時間ほど早く家を出た。

準備があったのだ。




俊樹はいち早く、駅に着き、トイレに向った。

これは少し身を潜める気分だったのかもしれない。




いつもの時間の1時間後にはいつもの女性が改札をくぐる。




その時を待った。







いつも乗っているはずのバスが駅へと着き、その女性も駅へと向い、

同じ時間で、改札をくぐった。



そのときだ。



駅構内にアナウンスが流れた。



「赤い傘をお持ちで、ベージュのトレンチコートを羽織った女性の

お客様、お連れ様がお待ちでございます。駅構内駅員事務所まで

お越し下さいませ。」



女性は、雑音の中で辛うじて急に入った、そのアナウンスに気付き、

駅員事務所に向った。



「すいません、さっきのアナウンスなんですけど、多分自分の事じゃないかと

思うんですけど。。」



「あっそうですかぁ~すいません急に呼び出して、これを。」



駅員は用意してあった、手紙をわたした。



女性は手紙を開いた。



その内容は、、



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