イケメン・コンプレックス


警察に頼るしかないかなと最終手段を取ろうとポッケの中の携帯に手を伸ばすが思いとどまる。




「じゃあ、試してみる?」


「え?」


眉間に皺をよせ険しい表情をしていた少年が、湊の言葉にキョトンとする。

不意に出た思いつきだった。
この案ににノってくれるかわからないが、他にいい方法が思いつかない。


「心配しているかどうかだよ。」

まだ、はてな顔なので詳しく説明する。


「電話して迎えに来てもらって、その時の反応で心配しているかしていないかをみるってこと。」


どうしてこんな所でうずくまっていたのか教えてくれないしわからないが、心配してると思うよと問いかけたときだけ反応したところをみると、家族と何かあったのだろうと推測する。

それなら、食いつくんじゃないかと思ったのだ。

しかも、家族がきてくれるなら話が早い。

願うような気持で見つめていると、思案顔だった男の子が”わかった”と決心したかのように頷いた。


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