彼の胸の中で。


神様はとっても酷い人なんだね…。



「満、ごめんね…っ、誰よりっ…好きだよ…。本当にっ…ここ、ろから…愛してる…っ…」



満が拾ってくれた言葉たち。


私が言えなかった言葉は、きっと、満も言えなかった言葉で。


誰より好きすぎて、愛しすぎたから言えなかった。


この世界の誰より愛してしまったから。


この想いを抱えなければ、私たちは普通に笑いあったり、喧嘩したりしてたんだと思う。


それでも幸せだったよ――…。


満がくれた幸せを、言葉を、愛を、私はずっと、永遠に忘れない。忘れるわけないから。


だから、お願い……。



「泣かないでよ…っ…」

「蜜っ、俺は…!」

「っやめて! 言わないで…。もう、終わりにしなくちゃいけないんだよ……」



私だって嫌なの。分かってるでしょ?


それでも今じゃなきゃダメなんだよ…。


好きだと、愛してると。そう言いながらこの関係を続けてしまえば、私たちは本当に戻れなくなる。

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