私のいとおしい残念な男達
吸っていた煙草の火を消して、あいつの弟を見直した
「…………お前、シスコンか?」
そういえばこいつだよなぁ、小夏と隠れんぼして飽きて捜すのやめて怖がりなトラウマの原因作った張本人
そう思い出したら、急に顔が緩んだ
「なんだよ、何笑ってんだよっ!」
「あ、悪い。いやごめん。今日は和馬は仕事で来れなかったんだ。小夏と俺と二人で遊んでた」
弟の顔が疑うように歪む
「あんたと二人で?」
「ああ、ってかあんたじゃなくて黒木波瑠登だ」
「……………」
そう言った俺を上から下まで見直し、暫く考え込んだ弟
「?」
「なぁ、やっぱり姉ちゃんと和馬さんって上手くいってないのか?」
「………なんでそう思うんだ?」
やっぱりこいつシスコンかぁ?
それに和馬にも会ったことあるんだな
「なんか、和馬さんよりあんたの方が仲よさそうだったから……」
「波瑠登だ、仲なんて良くないだろ?口きかないなんて言われたばっかりだ」
今あいつと和馬との仲は俺にも分からんが
「…………姉貴の電話って、壁が薄いから俺の部屋まで筒抜けなんだけど、和馬さんに怒鳴ったりした事ないし」
………筒抜けかよ。ってか聞くか普通姉の電話
「和馬は温厚だから喧嘩なんかした事ないんだろ?」
「………………波瑠登は姉貴が好きなのか?」
「う……」
ってか、和馬は「さん」付けで、俺は呼び捨てかよ