私のいとおしい残念な男達


「…………ま、そうなるかもな」


「ふぅん、やっぱり報われないな」

なぜか少し口角を上げ弟がそう言いやがった

ほっとけよ!

「お前こそ本当にシスコンだろ。小夏大好きなんだろ?」

一丁前に、ムッと眉を歪ませた


「しゅうじ、七瀬愁士だ波瑠登」


「おい愁士……波瑠登、さんだっ!」


なんだかこいつとは気が合いそうだ



そのまま、なんとなく愁士と携番の交換をした



「一つだけ気になってる事があるんだけど…」

愁士が言いにくそうに俺に聞いてきた

「たぶん半年くらい前、姉貴と和馬さんに何かあったんだと思うんだよなぁ」

「半年前?」

そんな前かぁ………?

「なんか思い当たらない?波瑠さん」

「いや、なんでだ?」

考えてみても覚えがない。

大体、小夏が泣きついて来たのは最近だし、その前はやたら和馬の仕事が忙しかったくらいで
まぁ秋山の事で小夏を遠ざけていたみたいだが、でもその事小夏は知らなかった訳だし……


「その時なんか大泣きしてたんだ姉貴、朝方帰ってきて…………」


泣いてた?半年前もか?

「たぶん和馬さんとこ泊まってと思うんだけど、それから暫く結構元気なくてな……」


「和馬んとこ……?」


そういえば前に3人で和馬のうちに泊まったのはいつだったっけ?

最近は3人で飲むことも無くなってたが、俺と和馬とは仕事が終わって飲みに行ってたし、てっきり二人も普通に会ってると思ってた……


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