私のいとおしい残念な男達



『和馬に言えばいいのに、俺が手を出してくるって』


そんな事言えないのが分かってて好き勝手に、
腹が立つぅ…………

大体、二人で遊園地になんか行ってたりしたからいけないんだ
和馬が来れなくなった時点で、あっいや……秋山さんと水野君が帰った時に帰れば良かった


「……………」


『どうせこうなる事は分かってたんだし。和馬もたぶん、ワザと水野って奴よこしたんだろう』



どうしよう……
和馬に聞きたい事が沢山ある


モヤモヤと考えを巡らせていると、携帯が鳴った

「!!」

その着信名とメールの内容に、すぐ家を飛び出した


【小夏の家の近くの公園に今来てるんだけど、帰って来てる? 】

それは和馬からのメールだった

家を出て【今すぐ行くから待ってて】と返信した時には、既に公園に着いていた


暗い公園の入り口を入ってすぐの、街灯下のベンチに携帯を確認している和馬がいた


「なんかすごく早かったね小夏」

相変わらず優しく柔らかな笑顔を向けてくれる


「和馬こそ、どうしたの?ウチまで来るなんて珍しいから……」

見る限り、仕事帰りではない恰好だし


「……どっか行ってたの?」


そう聞くと、一瞬視線を逸らし前髪を片手でスッと搔き分けた


あ、なんか言いにくいみたい……
それは和馬のそうゆう時の癖だ


とりあえず和馬の隣にすわった

「実は、今日常務の家にまた呼ばれててね」


< 110 / 410 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop