私のいとおしい残念な男達
『和馬に言えばいいのに、俺が手を出してくるって』
そんな事言えないのが分かってて好き勝手に、
腹が立つぅ…………
大体、二人で遊園地になんか行ってたりしたからいけないんだ
和馬が来れなくなった時点で、あっいや……秋山さんと水野君が帰った時に帰れば良かった
「……………」
『どうせこうなる事は分かってたんだし。和馬もたぶん、ワザと水野って奴よこしたんだろう』
どうしよう……
和馬に聞きたい事が沢山ある
モヤモヤと考えを巡らせていると、携帯が鳴った
「!!」
その着信名とメールの内容に、すぐ家を飛び出した
【小夏の家の近くの公園に今来てるんだけど、帰って来てる? 】
それは和馬からのメールだった
家を出て【今すぐ行くから待ってて】と返信した時には、既に公園に着いていた
暗い公園の入り口を入ってすぐの、街灯下のベンチに携帯を確認している和馬がいた
「なんかすごく早かったね小夏」
相変わらず優しく柔らかな笑顔を向けてくれる
「和馬こそ、どうしたの?ウチまで来るなんて珍しいから……」
見る限り、仕事帰りではない恰好だし
「……どっか行ってたの?」
そう聞くと、一瞬視線を逸らし前髪を片手でスッと搔き分けた
あ、なんか言いにくいみたい……
それは和馬のそうゆう時の癖だ
とりあえず和馬の隣にすわった
「実は、今日常務の家にまた呼ばれててね」