私のいとおしい残念な男達

「常務の? お休みの日に?」

今日の仕事ってそうゆうことだったんだ
なんとなく、あんまり聞きたくない話だな


はぁっ……と一回大きな溜め息をついた和馬

「今度は一人で呼ばれてね。直接お嬢さんとの付き合いを申し込まれた」


やっぱり……


「…………」

落ち着かずに、持っている携帯の画面を点けたり消したりしていた私


「小夏?」


「……で、どうしたの?」


カチカチと携帯を触る私の手を止めるように大きな手を重ねてきた


「もちろん断ったよ。俺には小夏がいるからね。まぁ、納得してなかったけどね」


そりゃそうだろう。社会的に上流階級の和馬が一般庶民の彼女なんて……


「お嬢さんって21歳なんでしょ?スレてないし、結婚したら役員なんでしょ?そっちの方がお得じゃない?」

………なんて、言ったらきっと

「肩書きなんて必要ないよ」って言うんだろうな


でも、ここはやっぱり笑顔とちょっとした皮肉で乗り切ろう

「そっか、じゃあまたちょっと世間の風当たりが悪くなりそうだね」

そう言って無理に頰を上げる

なんて意地が悪い私
いっそ、振られてしまえばいいのに……



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