私のいとおしい残念な男達
いや、違う。そんな風に不機嫌に応えるところじゃない
でも……
「小夏、波瑠とキスした?」
「してない」
「本当に……?」
「和馬っ!」
疑うように顔を覗き込んでくる和馬を睨みつける。意地悪で言っているのは分かっている
「でも、告白くらいはされた?波瑠、小夏の事好きだから………」
「…………」
だんだん悲しくなってくる
「そんな事あるはずない。今、私が付き合ってるのは和馬だよ」
「…………そっか」
ムッとする私の肩をまた引き寄せ、抱き込みながら頭を撫でる
……和馬にこうしてもらうと私は安心する
だけど、これは私が好きだからしてくれる訳じゃない。私がしてほしいからしてくれるんだ
「そうだね……」
「……………」
和馬の手は優しい
男性的な強引さや、独占欲なんか感じない
身体を動かせばすぐに離れることができる
それは恋人としてもの足り無さがあるのも正直否めない
でも、私にはそのゆるゆるな温もりは必要なのだ
決してそれが私を好きと言う行為ではないとしても
「だったら和馬も来れば良かったのに、そしたら私気を効かせて帰ったのに」
「男二人で遊園地?おかしいだろ?」
「おかしくないよ。黒木と和馬なら、実際男二人で来てた人たちいたし」
ナンパ目的だったけど