私のいとおしい残念な男達
暗いベッドの上で一人でいる事が不安になって、電気がついたままのリビングへ静かに足を運んだ
きっとまだ二人が起きているんじゃないかと黒木がいたソファーに目を向けて………
その目の前の光景に目を疑った
「…………何やってるの?」
私が暫くそこにいたのも気付かなかった和馬
愛おしそうに眠っている黒木にキスをしていた
意味が分からない。酔ってるの?和馬
それとも私が酔ってる?
青ざめて固まっていた私に、悪びれることもなく
「キス?」
そう言った和馬が、もう一度目の前で黒木に唇を落とす
「……………っ」
何も言えない。だって、目の前の事が理解出来ないから………
「黒木と……も、そうゆう関係だったの?」
私のその状態に溜め息をついた和馬が、黒木から離れ私のところへ
「小夏?」
いつもと変わらない声で名前を呼ばれて、いつものように近くから頰に和馬の手が伸びてくるのに私は、一瞬身体を引いた
「小夏、ちゃんと説明するからあっちの部屋で話そう」
「………黒木は?」
ソファーに沈み込み、見れば完全に眠っている黒木
「大丈夫、波瑠はこうゆう時全く起きないから……」
『こうゆう時』……その言葉って、長い付き合いが言わせる言葉だよね