私のいとおしい残念な男達
私から見れば、二人は高校時代からの仲のいい親友って感じで、一緒にいて違和感もなかった
お互い、各自の仕事を尊重し合いながらアドバイスしたり、ときに励ましあったり………
正直、男同志っていいなぁなんて思っていた
でも………
その時見た和馬は、私の知っている和馬じゃなかった
一年半付き合って、その間の和馬はただ優しくて温かい温室の中に居させてくれる人だった
彼は仕事が忙しい上流階級のイケメンにもかかわらず
連絡が無くて不安にさせることも、浮気を匂わせるような怪しい行動もなく私を大事にしてくれた。
だから私も彼のお荷物にはなるまいと、仕事にも頑張って自分の周りの環境を整え、彼との付き合いによる嫉妬からの悪口も、無視することが出来た
確かに全く不安がなかった訳じゃないが、今までの私の人生の中で一番充実していたと思う
私が必要だと思う人が、私を必要としてくれていると信じていたから……
だから、そうゆう想いが一瞬で崩れていく気がして、ただ動揺していた
和馬が、私に対して全く動揺していなかったから
「冗談とか、悪ふざけとかじゃないよね……」
「違うよ、至って真面目。俺が小夏に嘘ついたことあった?」
嘘をつくって、どこまでを嘘だと言うんだろう