私のいとおしい残念な男達
「小夏、博愛主義って分かる?」
「何?」
「って言っても、簡単に辞書に載ってるのとは違って、人それぞれなんだけどね………」
和馬のベッドに座る私から離れて、パソコンデスクの椅子に腰を下ろし、ひとまず距離を取ったまま話始めた
「実際俺、大学の時には同性と付き合ってた」
ハッキリ真面目にそう言う和馬
「それって、じゃあ和馬は……?」
「……いや、相手をそう限定してた訳じゃないよ。たまたま好きになった相手が男だっただけだし、それに彼は社会人でちゃんと彼女もいて、今では結婚もしてる」
「え…………?」
どうゆう事?
「あ、相手に彼女がいても付き合ってたの?」
震えて落ち着かない自分の手を抑えるだけで精一杯だった
「その人とは?」
彼とはいい関係だった。その人の彼女とも普通に接していたし、奪いたいほどの感情があった訳じゃない
自然に遠くなって、いい関係のまま終わった
と、淡々と話す
それに、高校からずっと親友でいる黒木との繋がりを大事にしていたのは、和馬の黒木に対する気持ちだけががあったからだと言う
「俺にとって、ずっと変わらない気持ちを持ちつづけているだけだよ、波瑠に対しては」
人に対して愛おしいと思う気持ちだけが大切だろ?
だから…………?
「波瑠が好きだからキスした。小夏も好きだから彼女として付き合ってる。」