私のいとおしい残念な男達


「小夏……?」


和馬の私が必要だと言う言葉をどれだけ信じたらいいのか分からなくなった


「………ごめん、分からない。やっぱりなんで始めから教えてくれなかったの?」


声は十分震えているが、右手をグッと握り涙を堪えた


その様子に和馬がベッドに座るわたしの隣に移動してそんな顔が見えないように頭を抱き込んでくれた


「そうゆう強がりな小夏をちゃんと見てくれる人が他にいるなら、小夏に俺が必要ないなら別れてもいいよ……」


そう言われ顔をあげた

和馬はいつもの笑顔で、いつもと同じように頭を撫でてくれる

別れてもいいよなんて言ってるのに

こんなに哀しい気持ちな私なのに…………?



そうか…………執着心がないんだこの人には

もしかしたら、私が他に好きな人が出来たって言っても、「そうなんだ」って言うんだろう


「黒木と私、和馬はどっちの方が失いたくない?」


答えが分かる事を聞いてはいけないって分かってる


「…………小夏」

「どっち……?」

どっちも必要だなんて言っておいて、順位は決まっているんだ……
そんな困った顔をしてる

「小夏は…………女の子の中で一番だよ」




それを聞いた瞬間、和馬から身体を離した

嘘はつけないからそんな残酷な事を言うんだ



「…………嘘つきっ」



気がつくと、自分の荷物を持って部屋を飛び出していた



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