私のいとおしい残念な男達
** 黒木side **


「あれ? 小夏先輩は?」


飲み会が行われているその場所で、いい感じで飲んでいる輸入部の連中がざっと7、8人

しかし、いるはずの小夏の姿が見当たらない


「トイレかな?」


そう言って後輩女が探しに行ったが、すぐに首を振りながら戻ってきた


「いないのか?」

「おかしいなぁ……高橋さん、小夏先輩きてましたよねぇ」

首を傾げながら他の奴に尋ねた


「七瀬さんなら、課長たちにお酒注ぎに回ってたけど、逆に飲まされたのかなぁ」


注ぎに回るなんて、時代錯誤的なことまだやってんのか?

「…………」


「だったらトイレにいるはずなんだけど……」


もう一人の奴は小夏は烏龍茶しか飲んでなかったとか言ってるし

課長たちに聞いてもご返杯にコップ2、3杯くらいしか飲んでなかったとか

「えー……でも、なんかすごくふらふらしてたよぉ、もう歩けないくらい酔ってたみたいだったけど」

そんな事言う奴もいてよく分からない

「…………じゃあ、一人で帰ったのかなぁ」




「ああ、井ノ上さんが七瀬さん支えて連れて帰りましたよ」



「はぁっ?! 井ノ上さんが!!」


井ノ上………?
なんか聞いたことがあるぞ………


眉を歪ませた後輩女に俺も不安になった




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