私のいとおしい残念な男達
「波瑠、アッチにいるの最近お前と付き合い出した彼女じゃないか?確か受付の秋……何とかさん………」
和馬が身体を少し屈め、視線を向けたその先にいる女子社員
…………秋山玲子さんねって本当だ、
黒木の後ろの方からコッチをガン見してる
「ああ、それ昨日別れたから」
「それって……………」
こいつはこう言う事、さらっと言ってしまうんだ。 鬼畜だな本当
「えぇっ、別れたんですかぁ?!」
モモちゃん、奴の隣で驚きながらも口元微妙にゆるんでるから
呆れた顔をする私の頭の上で「へぇ……」っと意外な声をつく和馬
「?」
「あ、そう言えば小夏先輩は昨日桐生さんに連絡取れたんですか?」
「はぁぇっ?!」
思わず上擦った声をあげた
「昨日?」
「飲みに行ってたんです。昨日舞子先輩と3人で、うちの部署のイベント商品にやっと目処がたったから。それに桐生さんのあの噂で小夏先輩落ち込ん………」
「モモちゃんっ!」
また貴女は余計なことを…………
「噂………?小夏たちどこで飲んでたの?俺に電話した?」
「あははっ……………いやぁ」
口を閉ざし、ただ苦し紛れに苦笑いする私
「和馬」
そんな話を遮るように、ゆっくりと黒木が席を立ち上がる
「お前こんなとこで立ち話出来るならここ座れば?俺、食い終わったからどうぞ」
私を見下ろし和馬の横を通り過ぎた