私のいとおしい残念な男達

「 水野君……? お久しぶりです」

しかし、遊園地に遊びに行ったとはいえ、1時間ほどしか一緒にはいなかったが………


「もしかして、和馬のとこですか?」


「まぁ、諸用でね」


諸用?
うちの会社でも何か携わることがあるのかな…

ここは受付けもあるロビーだが、秋山さんの姿は見当たらないようだ
正直、あの遊園地で秋山さんを連れ出した後の事を知りたいような気もするけど………


「あ、そうだ、小夏さん今時間ない?」

「今ですか?」

さすがにモモちゃんと一緒だし………


「大丈夫ですよ、30分くらいなら先輩。私が上手く言っておきますから」

モモちゃんが水野君と向き合う私の横から顔を出し、そう言ってくれた

「えっ…………でも」


「その代わりその人の名刺、ちゃんと貰ってきてくださいね」


こそりとそう耳打ちしながらウインクして、エレベーターへ乗り込んでいった


「…………」

さすがモモちゃん、さり気なく水野君のサラブレッド気質を読み取ったな……


でも、モモちゃんがそう言ってくれるなら
「じゃあ……少し」と、近くのカフェに入った



「どう?その後、身体でおかしなことない?」

入店してすぐ、簡単にコーヒーを頼んだところでそう言われた


「え?」

「薬、桐生に調べて欲しいって頼まれててね」

そう言って、前に見たことのある数個の錠剤を鞄から出してテーブルに置いた

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