私のいとおしい残念な男達
「いくら彼氏と別れたって、別に悩みなら黒木さんに相談したらいいじゃないですか。それとも黒木さんまで振っちゃったんですか?」
そう言ったモモちゃんの方を思わす振り返ると、彼女も顔だけ私の方へ向けていた
「先輩分かってないんですよ。黒木さんがいつもどれだけ先輩の事心配してたか」
「モモちゃん」
「黒木さん、偶にこのフロアーにコーヒー買いに来てたの知ってます?
偶然会った時、自分のフロアーの自動販売機にはブラックコーヒーがいつも売れ切れだからって言い訳してましたけど、そんな訳ないじゃないですか……」
呆れた顔のまま椅子を戻し、モモちゃんのパソコンの手が再び動きだした
「ちなみち今日も来てましたよ。一応爽やかなイケメン訪問者の事と、残業になりそうだって言っときましたけど」
「え…………」
言ったの? 黒木に?
「大体7時頃終わるって言っておいたんで、その頃また来るんじゃないですか?」
「えっ?!」
「早く終わらせて下さいよ先輩」
「えーーっ!!」
残業を何とか終えて、エレベーターで1階ロビーへ降りるとそこに……
「………よぉ」
「黒木………」
本当にいた………
モモちゃんは残業が終わるちょっと前に帰ってしまった
ロビーを通って行ったモモちゃんにも会っただろうか
「すぐお前が降りてくるから待ってろって、後輩女が言うから……」