私のいとおしい残念な男達
一緒に、来る?
「………小夏?」
和馬のマンションの部屋の前で、何時間経っていただろう
身体がすっかり冷えてしまった
何たってもう12月なんだから
「何やってるんだよ。こんなとこで………」
玄関の前で踞っていた私を、呆れた声でそう言って手を伸ばしてきた和馬
「合鍵、まだ返してなかったから」
黒木がくれたキッカケだけど………
「鍵持ってるなら入って待ってればよかっただろ?」
玄関のドアを開けて、私の背中を押して中に引き入れてくれた
「だって………普通、家に帰って元カノが勝手に居座ってたら気持ち悪いでしょ?」
鍵置いたまま帰る訳にもいかないし……
「一言メールしてくれたらいいだろ?
ほら、こんなに冷たくなって……いつからいたの?」
そう言って、私の頰を触りながら溜め息をついた
「いつからだろう……」
前と態度が変わらない和馬が少し嬉しくて、思わずへらっと笑って誤魔化した
「すぐ部屋暖めるから、そこ座ってて。コーヒー飲むだろう?」
そう言ってコートと上着を脱ぎにいった
あの時が最後だと思っていた和馬の部屋だから
なんだか落ち着かないや………
ふっと軽く見渡すと、部屋の隅に積み重ねられた沢山の本や雑誌が目についた
「………本、どうするの?捨てるの?」
なんとなく聞いてみた