私のいとおしい残念な男達
「………二人で?」
あ……和馬と……?
「……………っ」
「なんてね………っ」
フッと和馬の顔が緩んだ
「えっ?」
「ごめん、嘘だよ。連れてけないよ、向こうの住居は単身者用だから」
クスクスと肩を揺らしなからそう言う和馬の、悪気なく言った冗談なんだと私もつられて頰を上げる
でも
ははっ……と息を吐くように笑いながら、心臓の鼓動がドキドキと早くなって、和馬から視線を逸らした
…………即答出来なかった
「小夏、今波瑠の事考えただろ?」
「えっ、なんで」
「わかりやすいから小夏は。相変わらずすぐ顔にでるんだな」
そう言われて思わず片手で顔を覆った
違う、ただ一瞬『二人で…』ってなんか強調されたみたいだったから………
「さすがに波瑠は連れて行けないよ」
そう言って、またクスクスと笑う和馬
悪気のない冗談なんだろうか?
まるで私たちを置いて行くのが目的のような言い方
「和馬……?」
なんだろう
彼の心が読めない………
大体、そんな冗談言うタイプじゃなかった
「…………私達って別れたんだよね」
カフェオレの入ったカップをテーブルに置いて、身体だけ和馬へ向けた
「でもちゃんと別れようって言ってない……
あの時は、和馬が別れたいんだと思ったから」
「……………」
「どうして『元の友達に戻る』なの?おかしいよね?」