私のいとおしい残念な男達
「………小夏は悪くないよ。悪いのは、小夏にそうさせた俺。分かってたんだ、だから小夏を試したのかも」
目の前の和馬の言う事がまた理解出来なくて、首を振った
「………ごめん。頭が悪いから、分からない」
フッと息をついた和馬が私の頭を撫でた
「小夏、俺とのセックスで満足したことないだろ?」
「………っ!」
すぐにまた首を振ったけど、和馬に顔を覗かれると、思わず目を逸した
確かに……和馬との行為でイッた事はない
和馬だって最後までしないまま終わる時があった
でも世の中には淡白な人だっているし、スキンシップがあまり好きじゃないのかと思っていた
だから、眠っている黒木にキスしていた事や同性と付き合っていた和馬の方が、実は私じゃダメなんじゃないかと思った
そう思うと、もうキスさえしてもいいものか分からなくなっていた
「俺もそうだよ、たぶん波瑠みたいには小夏を抱けない」
「違うっ、あの時はそうじゃなくて………」
黒木との事は、いろんな不安が抱えきれなくて
お酒のせいでもあったし………
ああ………でもそれはいい訳でしかない
黒木との事を思い出すたびに覚えている熱で身体が疼くのも確かだ
「もうそんなことどうでもいいよ」
ふわりと両手が回り、和馬の胸の中に抱きしめられた
「小夏、それでも俺と二人でロスに行ける?」
「……………」
「無理だろ?」