私のいとおしい残念な男達


隣で聞いてる舞子がモモちゃんの態度に目を細める

「き、気のせいですよ。舞子先輩には彼氏がいるじゃないですかぁ」


そう言って気を逸らすように4杯目のハイボールを頼むモモちゃん


まあ確かに、最近舞子さんには彼氏が出来た
それが意外にも社内恋愛だったりするのだ

「小夏先輩も、もう少し危機感持った方がいいんじゃないですか?」


「………危機感?」


ちょっと頭を傾けると、正面に座るモモちゃんが顔を突き上げてきた


「いいですか?世間一般の女性はみんな、
『30歳までには結婚したい』なんて言ってますけど、そうゆう人ほど29歳になるまで怠けちゃうんですよ。1年じゃあもうどうにもならないんですからね」


「…………」


「舞子先輩みたいに今ですから先輩っ!」


「い、いま?」

モモちゃんの迫力に思わず引いてしまうけど


「………でも今はまだいいよぉ」


「小夏には黒木君がいるじゃない」

私とモモちゃんの会話を黙って聞いてた舞子が突然口を挟んだ

なんでここで黒木が出てくるのよ………



「黒木さんがグズグズしてるから逆に目を付けられるんですよ……」


呟くように言ったモモちゃんの声は、よく聞き取れなかった

「ん、目……?」


「とにかく、今回の合コンには小夏先輩に参加してもらわないと困るんです」


「??」

ちょっとモモちゃん、なんかおかしくない?


「ねぇ、なんで困る……」



「小夏っ」

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