私のいとおしい残念な男達
信じられない…………
会社の裏にあるあの趣味の悪い、絶対会社の人間は利用しないであろうラブホテルじゃんっ!!
夜になると、妙な配色の不規則な電飾で出迎えられるあの入り口からこの男と入ったというのか、私は…………
あ………あり得ない
そうと分かれば、こんなとこさっさと出ていかねばっ
「お前さぁ………」
バタバタと服を探す私の背中に、生暖かい肌の感触
「ひっ!」
長い腕が身体に巻き付き、肩にふわりと緩い柔らかな黒髪と顔が埋められた
「昨日、風呂入ってねぇだろ。やった後もそのまま眠っちまったし。酒くせぇし汗かいたし、この匂いは女終わってるぞ」
スンッと埋まった顔の鼻を鳴らす
「やっ、ちょっと!は…は…放せこの変態野郎ぉっ!!」
ボカッ!!
咄嗟に手元にあった枕を振り上げる
「ってぇ!」
おおっ、見事にヒットして離れた
そのまま服も持たずにバスルームへ逃げ込んだ