私のいとおしい残念な男達

「じゃあ、姉ちゃんはどんな風に?」

…………考えたことなかったそんな事

「うーん、場所とかにはこだわらないかなぁ、
レストランや居酒屋でもデート中とか……?」


どんな風だろう、別に堅っ苦しくなくサプライズでもなく、そろそろかなって時に

「結婚しよっか、なんてラフに言われてポケットから指輪の箱を渡されるみたいな当たり前の感じかな………」

そんな答えになぜか不満そうな弟


「なんかそれじゃあ素っ気なさ過ぎない?せめて花束持ってとか」

「ははっ、じゃあ片足ひざまついて花束と指輪の箱をつきだして『結婚してください』とか言われたりして」

「どうせなら家族の目の前での公開プロポーズとか、よくテレビでやってるやつ」

なんか全然ラフじゃなくなってきてるじゃん


「今時そんな事出来る人なんていないって」


よく動画サイトに載ってるようなサプライズ公開プロポーズ

あれは、見てるだけならいいし感動もするけど、実際にやられたら恥ずかしくて思考OFFになりかねないだろ………


なんでそんな話になったのか分からないまま、自宅に着いた



「おかえり」

いつものように母親がリビングの扉から顔をだす
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