私のいとおしい残念な男達
ジレンマ



「もちろん送ってもらいましたよ。一人暮らしのマンションまで」

週明けのお昼、騒然とする食堂で、平然とBランチのチキンライスを頬張りながら、週末のわざとらしい行いを舞子に問い詰められるモモちゃん


「酔ってなんかなかったでしょ、あんたなんかあれくらいで」

「………酔ってましたよ、少しくらい」

口を尖らせ不機嫌に言うモモちゃん

ハイボール4杯に続いてジントニック2杯
その後ファジーネーブルなどフルーティ系を飲んでいたような………

それでいて、酔ってないとか少しとか言えるのが恐ろしい

モモちゃんの視線が呆れる私の方へ向いた

「マンションの前で、部屋にコーヒー飲んでいってくださいって引っ張って行こうとしたのに……」

「引っ張ってってモモちゃん……」

頑張って黒木誘惑したんだぁ


「………その場で自動販売機の缶コーヒー買ってもらって帰されましたけど」

その口をさらに尖らせぶぅっと頰が膨らんだモモちゃん

「ぷっ!」

吹き出した後、今度は笑いをこらえるのに必死な舞子

「あはははっ、さすがにあんたじゃ黒木君は手に負えないかぁ」


「分かってましたよっ、そんな事初めから。でも一回くらいチャレンジしたっていいじゃないですかぁ………」

笑う舞子をみながら、モモちゃんが恨めしそうに溜め息をつく

「私だって、小夏先輩みたいに黒木さんから優しくされてみたかったんだもん……」


「…………はぁっ?!」

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