私のいとおしい残念な男達

「で、その井ノ上さん本人は?」

「出掛けましたよ。外回りに」

柿崎君が全く無表情でそう言う
きっと彼は分かってて止めるつもりもなかったんだろう


やっぱりか………ミーティングお前も参加のはすだろ………
外回りって、どうせとこかでコーヒーでも飲んでるんだろっ

二日酔いで遅刻してきた私は何も言えないが

「モモちゃん、柿崎君、ごめんフォローお願いね」


「大丈夫ですよ。資料は柿崎さんが完璧にチェックしていたし、ミーティングの間に
リストとのすり合わせしておきますから」

モモちゃんが頼もしい事を言ってくれる


使えない先輩がいても、ちゃんと優秀な後輩は出来上がるもんなんだと感心するよ本当。

まぁ、確かに井ノ上さんがいない方が業務は効率よく進むし


「すみません七瀬さん、納期の確認の事で井ノ上さんに電話きてるんですけど………」


「…………分かった私が対応する、こっちに廻して」




ああ………頭痛い



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