私のいとおしい残念な男達
「……………」
決して明るく照らされている訳ではない街灯の下で、まるで親か先生にでも叱られている中学生の気分だ
風はないが、むしっとした湿気もない夜
ジワリと汗ばんでくるのは夏の夜のせい……?
「………これ以上心配させんな、バカ女」
強く掴まれた腕は、しだいに緩くなって
さっきまでの黒木の声のトーンが低くなって、一度大きな溜め息をつかれた
「………分かったから、ほっといてよ」
緩くなった黒木の手を払い退けようと手を掛ければ、逆に今度はその指先を掴まれて握られた
「分かってねぇじゃねぇか………」
「分かってる、もう心配かけないから」
そう言って握られた手を引くが離してくれない
「合コンにはもう行かないから、それに飲み会だって羽目外さないし、流されないようにちゃんとする」
「…………」
「遅くなるなら弟に駅まで迎えに来てもらうし、だから大丈夫………」
手を離してくれないからいい加減口を尖らせた
「もう迷惑かけないし、ほっといてくれていいから」
「…………そうゆう意味じゃねぇよ」
呟やかれ、よく聞こえないまま「帰るぞ」と小さく息をつかれ、歩き出した黒木
結局そのまま手を引かれ、公園を出てタクシーに乗り込み駅に着いた