私のいとおしい残念な男達

「小夏は両方から付き合って下さいって言われたら、どっちと付き合うの?」


「…………」

いつになく真剣な顔で、食べてたBランチのカレーパスタのフォークの手を止めた舞子さん

「ちゃんとハッキリさせとかないと、先が見えなくなるよ」

ハッキリさせるも何も、自分の気持ち以上に相手が何考えてるか分からない

黙ったまま、Cランチの鶏肉のレモン煮を口に頬張る

「…………」


「話だけ聞いてれば、水野君って小夏のタイプだよね」

動き出さないカレーパスタのフォークをお皿に置いて、舞子はそのまま私を凝視してきた

一瞬、グッと鶏肉を喉に詰まらせ噎せてしまった

「えっ、そうなんですか?!」

「優しくて、ストレートな言葉で攻めらると昔っからコロッといっちゃうとこ、まだ変わってないよね小夏」

目を細めた舞子に、痛いところを指摘された
それは完全に過去の私の黒歴史の男たちの手口

「そんな事な……っ」

「甘やかしてくれる優しい男が好きなのよね」


「えー、じゃあ黒木さんと正反対じゃないですか?!」

ちょっとぉ……モモちゃん、ここは一応奴もいる会社の食堂なんですけど………

「だから何で黒木まで出てくるの……?」


「そのあんたの見立てが本当に合っているかどうかってことでしょっ?」

「へっ?」

見立てって、人の好みの事でしょ?
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