私のいとおしい残念な男達
いつになくキツイ言い方をする舞子に思わず引いた
「舞子?」
ポカンとする私とモモちゃんに、軽く息をついてカレーパスタを残したまま席を立った
「とにかく、相手に期待させといて落とすとか最低な事だけはしないようにね……」
「…………はい?」
「ごめん先に行くね」とその場を後にした舞子
その背中を見つめながら
「舞子先輩、なんかあったんですか?」
「うん……」
いつもこうゆう話には、おもしろがって逆にモモちゃんと一緒にチャチをいれる舞子なのに、珍しくご機嫌ナナメ……?
「でも、本当にどうするんですか?水野さんも結構積極的だから先輩そのまま流されそう」
舞子ほどではないが、モモちゃんにも上目使いでそう指摘してきた
「…………そもそも水野君が本気かどうか」
「本気ですよぉ、だって初めにお茶した時なんかずっと先輩と黒木さんの事ばっかり聞いてきたんだもんっ」
「黒木の事も?」
「その後二人は付き合い始めたのかとか………ってあ、黒木さんだ」
私を通り越した先に視線を向けた食堂の入り口で、何人かの団体の中の一人としていた黒木
何気に女子と話をしている様子に目を細める
こうして客観的に奴を見ると、やっぱり別世界にいる人だ
華やかで、スマートで……絶対手に入らない物に見える
和馬との間で一緒にいた時の事なんてまるで夢物語だったように感じる
「あ、こっちに気がついた」
モモちゃんの実況に、間髪入れずに席を立った
「行こ、モモちゃん。時間だよ」
そのまま気づかないフリして食堂を出た