私のいとおしい残念な男達


「え、えっ?!ちょっと待って?舞子、宮崎君は?」


いきなりのカミングアウト?!


「………別れたの?」

頼んだビールさえ口に運ぶのも忘れて聞いてみた

目の前の舞子は、視線を落として首を振った

じゃあなんでお見合い?

私の頭の中は「??」状態のまま、溜め息をついた舞子

まだ付き合って1年経ってない宮崎君と上手くいってないなんて、そんな感じには見えなかったけど………

思えば

言いたい事を時に毒舌を交え、ハッキリと言う
姉御肌ではあるそんな舞子が
見た目真面目を絵に書いた様な総合経理部の宮崎君から告白されて

『ビビッと来たのよ、ビビッと』

舞子がそう言って付き合い始めたのにはモモちゃん共々驚いたもんだ


「なにがあったのか聞いていい?」


そういえばこのところ、食堂に誘っても来ない事が続いてた

何度目かの溜め息をつく舞子


「………親がね、宮崎君はダメだっていうの」


「親?」

「…………」



結婚はまだ別として、一度交際中の彼として家に招いて両親に宮崎君を紹介したらしい

その時はお互い和気あいあいと終わったんだけど、後日舞子の両親からそう言われたらしい

「え、なんで? だって宮崎君っていかにも親受け良さそうじゃんっ」


「彼自体に問題はないのよ。問題は彼の親だって」

宮崎君は母子家庭だそうだ、しかも父親の違う妹がいて、母親はバツ2らしい

そんな宮崎君の母親の事を知った厳格な舞子の両親が出した結果だった


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