私のいとおしい残念な男達
「前にも言ったけど、桐生に久しぶりに会って『彼女がいる』って聞いた時には驚いたよ。
女もいけるんだってね」
「……………」
「でも、遊園地での黒木君を見て、すぐに君たち3人の関係性に気付いたんだ。あ、こじれてるって………」
客観的に興味と言うより面白がってるよね絶対
やっぱりこの人、かなり失礼な人だ
楽しそうに肩を揺らしながら笑う水野君に、多少ムッとしながら、始めと同じカクテルの二杯目を流し込んだ
「あ、それ飲みやすいから気をつけて。どんなお酒でも、アルコールが入っていれば酔うもんだからね」
顔を覗き込まれ、そう言って水を定員に頼んでくれた
「こんばんわ」
声を掛けられ、その女性の方に視線を向ける
こんな場所で知り合いなんていないと思ったけど、先に顔を上げた水野君がキョトンとしているから
「あ………っ」
「やっぱりそうよね。この前波瑠君に連れていかれた…………」
ニコリと愛想よくこちらを見つめてそう話しかけてきた女性
日向瞳子……?
前に見た時とは違って眼鏡も帽子もなく、上品なワンピースと華やかな出で立ちだ
「あ、ごめんなさい突然」
確認でもするように覗き込まれ、水野君の方にも軽く会釈した
「いえ、」
びっ……くりしたぁ…………
まさか彼女から話しかけてくるなんて……