私のいとおしい残念な男達

腕を組み、さっきの華のような笑顔の仮面を剥がして来たのか、目を細めて鏡に映る私を見つめていた


振り向いた私に一歩づつ近づいて、頭の上から脚へと視線の流した

「あなた、波瑠君と付き合ってるんじゃないんだ、合コンから連れ出されたくせに」


「……………」

また随分と態度が違う


「今一緒にいる人が本命って奴?それともあれもキープ?」

何? その趣向……?


「…………」

どう応えたらいいか分からない
ってか、そもそも応える必要があるのか?


「友達です。彼も黒木も……」

それ以上応えようがない


「……友達?」

手を添えた彼女の口の端がクスッと上がる


「ふぅん、じゃあ協力してくれない?小夏さん」

「協力?」

眉を歪めて、怪訝な顔を見せる私の隣の鏡の前に座り、ブランドのポーチから口紅を取り出した


「私、波瑠君と仕事がしたいの。京都でプロダクションを作る話があって、それに彼を誘っているのに、いい返事をくれないのよ」


鏡の中の彼女を見つめると、口紅を軽く塗り直し、小指で口端を整えている


「プロダクション?」


「知らないの? 波瑠君って昔から映像関係の仕事がしたかったって……」

「…………?」


クスクスと小さく思い出し笑いしながら、彼女は肩を上げる

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