私のいとおしい残念な男達


違うっ、そうじゃない

だって
自分からどう接すればいいか分からないじゃん


和馬がいなくなったからもう、黒木に会いたくても電話なんてなかなか出来ないし


本当はもっと、あの頃みたいにもっと…………

本当はあんな事言うつもりじゃなかったのに



『勝手にすれば』





「そうじゃなくてっ、私は……っ!」









声を出し、起き上がると同時に目が覚めた


わたしって………え、夢?

「うっ!」

あ、頭が痛いぃ………っ

起きた途端の鈍い頭痛に、両手で頭を抱えた



どうしたんだったっけ、私……?



顔を上げて目に映るのは

広い部屋の白い壁、高い天井に……
キングサイズのベッドにふかふかなシーツの中

外からの日差しが心地よく入る上品なカーテン



「こ、ここどこ………?」


なんだなんだ?
まだ夢の中なのか?

でも………酷い頭痛だ

昨日、私…………?

もう少し見渡せば
壁際のシックな備え付けのクローゼットらしき並んだ扉の前にハンガーで掛けられた昨日私が着ていた服

ええとぉ……

今の自分の状態を恐る恐るシーツを上げて確認する

「……………」





カチャッ
「あ、起きた?小夏さん」


開いた扉から顔を出したその人物で、一気に昨日の事を思い出した



「水野君……」



ポカンとする私の入るベッドの淵に座り、身体を傾けて手を伸ばし指先で私の頰に触れる


「おはよう。気分は?」


「は………ょうございます………あの?」


いつも通りの爽やかな笑顔の水野君

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